目次
はじめに
こんにちは。 トモニテ開発部ソフトウェアエンジニア兼、CTO室Dev Enableグループの庄司(ktanonymous)です。
本記事では、2024年度から実施を始め、第2回目となる2025年新卒エンジニア向け研修の取り組みについてご紹介します。 昨年度実施した新卒研修については、以下をご覧ください。
2024年度の振り返りと改善点
昨年度のエンジニア新卒研修では、以下のような成果と課題が見られました。
成果
- エブリーのエンジニアとしてのマインドセットの理解
- 各技術領域の全体像の把握
- 社内エンジニアとのネットワーク構築
課題
- 前提知識の不足による理解の困難さ
- 各種ツールの使い方に関する事前準備の不足
課題の解消に向けた施策について
昨年度の課題を踏まえ、運営チームでは如何に入社時の前提知識の不足やばらつきを解消するのかを検討していました。 その中で、入社前から新卒(当時は内定者)の意欲が高く、学習コンテンツがあれば積極的に活用したいという声が多くありました。 そこで、内定者研修という形で入社後のオンボーディングをスムーズにするための基礎的なキャッチアップをフォローする研修を実施しました。
内定者研修についてのブログも公開しておりますので、ぜひご覧ください。
研修の目的・カリキュラム
今年度の研修では、昨年度のフォーマットを踏襲しつつ、成果や課題を踏まえて、改善策なども検討しました。
研修の目的
研修自体の目的や方針については、昨年度と大きくは変えず、以下のように設定しました。
目的 『オーナシップを持ってプロダクト課題の解決に動けるエンジニアへの土台を作る』
方針
- エブリーのエンジニアとして求められるマインドを理解する
- 専門領域を超えてエブリー全体で使われている技術スタックを理解する
カリキュラム
研修のカリキュラムについても、昨年度と大枠は変わっていません。 新卒の皆さんには、5日間で以下のようなカリキュラムに従って研修に参加してもらいました。
- マインド研修
- CTO からのメッセージ
- 活躍した新卒2年目エンジニアからのメッセージ
- 技術スタックの把握(講義 + ハンズオン)
- バックエンド/インフラ
- モバイル
- Web
- データ
- ランチ会
前回からの変更点として、マインド面の研修に盛り込んでいたインシデントへの向き合い方のパートが変更になっています。 講義内容をより身近に感じてもらうために、活躍している新卒2年目エンジニアからのメッセージとして同様の要素を取り込みつつ、実際に入社直後から活躍している先輩がどのようなことを意識しながら業務に取り組んできたのかを伝えてもらいました。
CTO からのメッセージ
この講義では、AI/LLM時代におけるエブリーのエンジニアとして重要となるマインドセットについて講義をしました。
生成AIが破竹の勢いで進歩していく中でエンジニアを取り巻く環境はどう変わっていくのか、また、エブリーのエンジニアとしてどういう姿勢で臨むべきかについて、CTO 自らの視点を交えた内容となり、配属に向けて刺激を得られる講義でした。
活躍した新卒2年目エンジニアからのメッセージ
この講義では、入社直後から活躍している先輩がどのようなことを意識しながら業務に取り組んできたのかを伝えてもらいました。
実際に活躍している近い世代の先輩のマインドを伝えることで、実際に行動に移した例もあり、より具体的なイメージを持ってもらうことができたと思います。
バックエンド/インフラ講義
バックエンド/インフラ講義では、エブリーで共通的に用いられる技術や知識について、一通り触れて理解することを主な目標としました。
ハンズオンを通して以下の内容を学びました。
- 社内の技術スタック
- Go を利用した簡易的な API サーバの開発体験
- CLIによる手動デプロイからCDによる自動デプロイまでを体験
モバイル講義
モバイル講義では、アプリの開発の基礎や実装に触れてもらい、API 設計やログ解析、不具合解析の際にアプリサイドの開発観点も考慮できるようになることを目標としました。
主な内容:
- モバイルアプリ開発の基本概念
- 基本的な UI 実装
- アプリログや分析の実装
- API接続ハンズオン
- 組織開発における注意点
Web 講義
Web 講義では、Webの歴史から現在の技術を理解することやWeb開発の基礎知識を身につけることを主な目標としました。
講義内容:
- 社内の技術スタック
- Web 開発の歴史と基礎知識
- 開発における重要なポイント
- デリッシュキッチンアプリを題材として画面実装ハンズオン
データ講義
データ講義では、データ領域の各分野について体系的に学びました。
主な内容:
- 各種職能の役割
- 社内での業務への関わり方
- AIの概観/社内での活用事例
- データ基盤
- データ品質の管理
- 実践的なデータ処理ハンズオン
次回に向けて
研修後の調査で、受講者からは以下のように好意的なフィードバックが寄せられました。
- 同期と楽しみながら進められた
- 研修を通して学ぶべきことを知ることができた
- 全領域を横断的に触れることで業務でのコミュニケーションにも繋げられると感じた
研修を楽しみながら、エブリーのエンジニアとして必要となるものを認識してもらうことができ、目的は達成できたのではないかと思います。 しかし、改善点がなくなったわけではありません。 特に、生成AIの進歩に対応したコンテンツ作りは1つの大きな懸念材料になると思います。 弊社では、AIエディタである Cursor がエンジニア(およびPdM)を対象に導入されました1。 組織全体としても模索中である開発業務におけるAI活用はもちろん、受講者のAI利用を前提としたコンテンツをどのように構成するべきかを検討する必要があると考えています。
おわりに
2025年度のエンジニア新卒研修では、2024年度の課題を踏まえた改善を実施し、より充実した研修プログラムを提供することができました。 配属前のタイミングで横断的なコンテンツを提供することで、エンジニアとしてだけではなく業務に携わるメンバーとしても、早期成長の手助けをできていると感じています。 今後も、研修などを通じてエブリー開発組織全体の活性化・強化を目指していきたいと思います。
最後に、本研修の実施にあたり、講義に快くご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。