
はじめに
開発本部でデリッシュキッチンアプリ課金ユーザー向けの開発を担当しているhondです!
2025年6月から社内勉強会の一つとして開催している「AIツールを活用した開発効率化勉強会」が開催から半年かつ現状の参加メンバーで一周したので、そもそもどのような勉強会だったのかやアンケートの結果からどのような成果が得られたのかについて振り返ろうと思います。
AIツールを活用した開発効率化勉強会
現在エブリーの開発部では、入社時に振り分けられる勉強会グループで開催する定期的な勉強会と勉強会のテーマに興味があるメンバーが集まって行う任意の勉強会があります。今回紹介する「AIツールを活用した開発効率化勉強会」は後者にあたり、AIに興味があるメンバー18人ほどが集まり開催しているものになります。
勉強会の目的
勉強会の目的は以下の3点として運営しました。
- AIに関するインプット意欲を向上
- AIツールをとりあえず試すマインドの向上
- 実務の中で活用していく意欲向上
2025年4月に開発部とPdMにCursorが導入されました。当時はCursor以外にもClaude CodeやClineなど多様な選択肢があり、AIツールは進化が早く個人でのキャッチアップには限界がありました。
そこで勉強会では、参加メンバーの多角的な視点でいろいろなツールや活用方法を吸収できる場にしたいと考えました。
具体的には、ハンズオン形式で実際に使ってみることや、他のメンバーから便利なユースケースを共有してもらうことで、活用の促進とユースケースの増加を狙いました。
また、新しいツールの導入には一定のハードルがあるため、「とりあえず試す」ことでそのハードルを緩和することも意識しました。
実施形式
実施形式は以下のように設計しました。
- 隔週1回で開催
- 発表者は参加者で順番に行う
- 事例紹介形式&ハンズオン形式
- 導入してみたけどうまくいかなかった例、うまく導入できていない例紹介タイムを設ける
- Cursorに限らずClaude CodeやRoo Code、ClineなどもOK
目的にある「とりあえず試す」を実現するため、勉強会ではなるべくハンズオン形式を採用するよう設計しました。
基礎的な内容よりも「〇〇をしたら△△になる」といった具体的なユースケースにフォーカスすることで、実務への応用をイメージしやすくしています。
また、うまくいった事例だけでなく、うまくいかなかった事例も積極的に共有してもらうようにしました。変化が激しく簡単に正解に辿りつけるフェーズではないと感じていたので失敗例を参加メンバーで考察することで、より深い理解に繋げることを狙っています。
Coding Agentにはそれぞれ良し悪しがあるため、ツールを絞らずそれぞれの長所や短所を学び、自分が使っているツールにどう活かせるか考えられる場にしました。
発表内容
半年間で行われた発表テーマは以下の通りです。
| 発表日 | テーマ |
|---|---|
| 6/16 | MCP使い倒してコンテキストスイッチ最小限に |
| 6/30 | Cursor × iOS開発私はこうやってます |
| 6/30 | A/Bテストの実験設定をcursorに任せてみる |
| 7/14 | Claude Codeは言語化ムズイがいい感じという話 |
| 7/14 | MCPサーバーを自作してみる |
| 7/28 | KiroでSpec駆動開発 |
| 7/28 | Claude Codeのサブエージェント |
| 8/25 | CodeRabbitについて調べてみた |
| 8/25 | LLMで爆速論文検索 |
| 9/8 | spec-kitを使ってみよう |
| 9/8 | コンテキストエンジニアリング |
| 10/20 | Amazon Bedrock AgentCoreでエージェント開発を加速させよう |
| 11/17 | いろいろあるよ!AWS MCP Servers |
| 11/17 | コンテキストエンジニアリングについて真面目に考える |
| 12/1 | Google Workspace Flows アルファ版 |
| 12/1 | AIカンパニーをつくって遊んでみる |
| 12/15 | AWS Transform Custom |
Kiroやspec-kitをはじめとする開発体験を向上するツールを試す発表や、普段業務で使っているClaude CodeやCodeRabbitについての深掘りなど、幅広いジャンルの発表が行われました。
Amazon Bedrock AgentCoreを実際に参加者全員で作ってみるハンズオン形式の回もとても好評でした。
発表テーマを振り返ると、改めてAIが開発に与えるインパクトの大きさを感じます。同時に、いろいろなツールが出過ぎて手探りな期間だったなとも思います。
これだけのテーマを個人でキャッチアップするのは難しいので、勉強会という形で吸収できてよかったです。
アンケート結果
勉強会の振り返りとして、参加メンバーにアンケートを実施しました。14人から回答があり、以下の3項目については5段階評価で回答してもらいました。また、いくつか自由記述を設けて今後の改善に向けた意見を募りました。
5段階評価については下記の結果が得られました。
| 項目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 総合満足度 | 0人 | 0人 | 3人 | 7人 | 4人 |
| AIツール活用の参考になったか | 0人 | 0人 | 3人 | 5人 | 6人 |
| 開発効率化の助けになったか | 0人 | 1人 | 2人 | 9人 | 2人 |
全体的に高評価でしたが、特に「AIツール活用の参考になったか」に関してはNPS 21.5%という高い数字を出すことができました。
自由記述でのポジティブな意見としては、「自分ではキャッチアップしきれない部分について情報をインプットすることができた」や「色々なAIツールがある中でどのようなものがあるのかを知るとっかかりになったのが良かった」といった声が上がりました。どちらも勉強会を開催するにあたって目的にしていた部分が反映できたことが確認できる意見でした。
一方で、改善点として「回を重ねるごとに難易度が上がっていき、発表ネタを作るのが大変になっていた」という意見が複数見られました。確かに、勉強会を開始した当初と比較すると新しいツールや大きな開発体験の変化を伴うことは減ってきたのでテーマ的に一歩深掘りしたものが必要になっていました。あくまで、任意の勉強会なので負担にならないようある程度コントロールできるとよかったのではないかと思っています。
まとめ
他の勉強会と比較してデファクトスタンダードが出ていなかったりとても変化が激しい期間の勉強会の運営だったので、参加メンバーが満足いくものに設計できるか不安でしたが満足度もそれぞれ目的としていた指標に対しても高い評価が得られた結果となりよかったです。
ハンズオン形式に関しては発表者教材を準備しないといけないので負荷になっていたとは思いますが、聞いた内容を確実にアウトプットする機会や勉強会中にメンバー同士で議論できる場の提供になりプラスに働いたのではないかと思っています。
今後はより各チームのメンバーのユースケースの共有を活性化することで、よりお互いに刺激し合える勉強会を設計していきたいと思います。
社内勉強会の設計や運営の参考になったら幸いです!