はじめに
はじめまして。普段はMAMADAYSでiOSエンジニアをしている國吉です。
iOSエンジニアではありますが、アプリのストアレビュー改善企画も兼務で行っているため、時にはAndroidの実装を担当することもあります。
そこで今回は2020年8月頃にGoogleから提供されたIn-App Review APIをMAMADAYSのAndroidアプリに導入し、実際レビュー評価にどのような変化を及ぼしたのかをお話していきます。
In-App Review APIとは
アプリから離脱することなく、アプリのレビューを行うことができるAPIです。
APIレベルは21以上(Android5.0)がサポートされています。
これまでの課題
ストアのレビュー評価はアプリのインストールに大きく関わってきます。
ただ、MAMADAYSではこれまで”独自ポップアップを実装し、Google Play Storeに遷移させレビューを行ってもらう”というフローだったため、レビューまで手間がかかってしまいユーザーの離脱が多かったです。
そのためレビュー評価4.0から全く上がらないのが課題でした。
導入してみた結果
In-App Review APIを導入し約8ヶ月程経過しましたが、徐々にレビュー評価の件数が上がってきています。
もちろんその8ヶ月間でアプリ自体に様々な機能を追加しており、利便性が向上していることも影響してると思いますが、アプリ内でレビュー完結できることがレビューという行為のハードルを下げています。
導入前と比較すると0.3程度上がり、レビュー評価は4.3~4.4程度にまで成長しました。
レビュー要求を表示するタイミング
レビュー要求は表示するタイミングが重要です。
MAMADAYSでは、ユーザーが何かを達成した時(例えば記事をお気に入りした。育児記録を登録した。など)に下記の公式リファレンスに記載されている事項を考慮しレビュー要求を表示しています。
- ユーザーがアプリやゲームを十分体験してから、アプリ内レビューのフローを開始してください
- ユーザーに過度にレビューを求めないでください
- 評価ボタンや評価カードを表示する前または表示中に質問をしないでください(「アプリを気に入りましたか?」といったユーザーの意見に関する質問など)
実装方法
In-App Review APIはPlay Core SDKの一部なので、gradleファイルにCoreライブラリ1.8.0以上を追加します。
dependencies {
implementation 'com.google.android.play:core:1.8.2'
}
様々な画面でレビュー要求を表示したいので、In-App Review APIをリクエストして表示する処理を共通関数として作成していきます。
ただし、公式リファレンスにも注意書きされていますが勝手に表示されるViewのデザインやサイズ、背景色等のカスタマイズは一切行わないようにしてください。
import com.google.android.play.core.review.ReviewManagerFactory ... fun showInAppReview(activity: Activity) { val manager = ReviewManagerFactory.create(activity) val request = manager.requestReviewFlow() request.addOnCompleteListener { if (it.isSuccessful) { manager.launchReviewFlow(activity, it.result) } else { // error } } }
最後に
Googleから提供されているAPIのため実装が比較的簡単であり、レビュー評価の向上にも繋がるためまだ導入されていない方は是非導入してはいかがでしょうか。
ただ、In-App Review APIをリクエストした際、必ずレビュー要求が表示されるわけではないので、絶対にレビュー要求を表示したい画面は”独自のポップアップ”を表示するように切り分けて使っていくのもいいかもしれません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。