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日本CTO協会 新卒合同研修2025 に参加しました!(前編)

はじめに

こんにちは、株式会社エブリーの2025年新卒エンジニアです。 私たちは、2025年5月から6月にかけて開催された日本CTO協会主催の新卒合同研修に参加しました。本記事では、研修の概要や各回の講義内容、そして実際に参加して得られた学びや気づきについてご紹介します。

2024年の新卒合同研修参加レポートも是非ご覧ください!

tech.every.tv

新卒合同研修とは

日本CTO協会が主催する新卒合同研修は、会社の枠を超えて新卒エンジニアが業界全体で成長できる場をつくることを目指しています。背景には、エンジニア不足や、スタートアップ・中小企業にとって新卒育成のコストが大きいといった、業界共通の課題があります。
そこで、さまざまな企業や専門家が協力し、最新技術や実践的なスキル、キャリア形成、クラウド、サーバー解体、ISUCON、生成AIなど、幅広いテーマで講義やハンズオンが行われました。
2025年は下記のような日程で開催されました。

研修回 テーマ・内容 講師/スポンサー
第1回 Google Cloudのスペシャリストと学ぶ!BigQuery & Gemini グーグル・クラウド・ジャパン合同会社
第2回 CTOから新卒に向けた講話、生成AI時代のソフトウェアエンジニアとしての働き方の期待値 日本CTO協会 / 株式会社LayerX、株式会社Progate
第3回
(初学者・中級者向け)
AWS JumpStart アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
第3回
(上級者向け)
AWSサービスを使いISUCONで高得点を出そう! アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 / 日本CTO協会 若手エンジニアコミュニティ有志
第4回 サーバー解体研修 GMOペパボ株式会社
第5回 日本CTO協会ISUCON新卒研修+解説(※事前課題あり・クリア必須) 株式会社PR TIMES / ピクシブ株式会社
第6回 生成AIに関する講義 日本マイクロソフト株式会社

研修はオフラインで開催され、他社の新卒エンジニアと交流したり、コミュニティを広げたりする機会もたくさんありました。
この取り組みは、エンジニアとしてのキャリアのスタートを後押しし、業界全体の成長につなげることを目指しています。
詳しくはこちらをご覧ください。

cto-a.org

ここからは、それぞれが印象に残った講義を1つずつピックアップし、内容や学びについてご紹介していきます。

5/14開催 1回目 Google Cloud のスペシャリストと学ぶ! BigQuery & Gemini

開発1部 デリッシュキッチンMS SPの谷口です。私からはグーグル・クラウド・ジャパン合同会社にて開催された第1回研修「Google Cloud のスペシャリストと学ぶ! BigQuery & Gemini」について紹介します。

この研修では、Google Cloudのスペシャリストの方々からBigQueryやGeminiについて直接学ぶ貴重な機会をいただきました。特にGoogle Cloudのデータ分析・AI関連サービスを中心に、現代のデータ活用における最新のアプローチについて詳しく教えていただきました。また、後半ではNotebookLMの活用方法についてグループディスカッションを行い、参加者同士で様々なアイデアを共有する時間がありました。

BigQueryの進化とデータ活用の新時代

フルマネージドなデータウェアハウス

Google CloudのBigQueryはサーバーレスアーキテクチャで構築されたフルマネージドなデータウェアハウスサービスです。

従来のデータ分析ではインフラの管理やスケーリングに多くのリソースを割く必要がありました。しかし、BigQueryを活用することで、これらの運用負荷から解放され、データ分析そのものに集中できるようになるという話をまずしていただきました。

Gemini in BigQuery

自然言語でのデータ分析

研修で最も驚いたのは、Gemini in BigQueryの自然言語でクエリを記述できる革新的な機能でした。

これまで複雑なSQLを書く必要があった分析作業が、日本語での質問形式で実行できるようになります。例えば「先月のユーザー登録数の推移を教えて」といった自然な問いかけから、適切なSQLクエリが自動生成されます。

分析の民主化

この機能により、SQL知識が限定的なビジネスサイドのメンバーでも、直接データウェアハウスに問い合わせを行うことができるようになります。

私はこれを聞いて、真の意味での「分析の民主化」だと感じました。組織全体でのデータ活用レベルの底上げに大きく貢献するはずだと思います。

NotebookLMセッション

実践的なAI活用事例

NotebookLMは、Googleが開発したAIを活用したリサーチアシスタントで、アイデアの洗練と整理をサポートしてくれます。アップロードした文書やデータを基に、質問応答や要約、分析などを行うことができます。

NotebookLM活用事例のセッションでは、参加者同士で様々な活用事例を共有することができました。

文書の要約、質問応答、アイデア生成など、日常業務で即座に活用できる具体的な使い方を学ぶことができ、非常に実践的な内容でした。

グループディスカッションでの活用アイデア

セッションでは、グループに分かれてNotebookLMの活用方法についてアイデアを出し合うセクションがありました。

その中で特に興味深かったのは、会議の文字起こしとNotebookLMを組み合わせた活用方法というアイデアです。

会議内容を文字起こしした後、その内容をNotebookLMに追加することで、会議中に出てきた専門用語や不明な点について後から詳しくNotebookLMに質問することができるのではないか、という提案がグループから出ました。

今後の活用に向けて

データドリブンな意思決定の加速

今回学んだGoogle Cloudのサービスを活用することで、データに基づいた意思決定のスピードを大幅に向上させることができると思います。

特にGemini in BigQueryの自然言語クエリ機能により、データ分析から洞察の獲得、そして施策の立案までのサイクルを劇的に短縮できる可能性があります。

チーム全体でのデータ活用レベル向上

自然言語インターフェースの活用により、これまでデータ分析に関わることが少なかった私たちのチームメンバーも積極的にデータを活用できるようになると期待しています。

これにより、組織全体でのデータリテラシー向上と、より多角的な視点からの分析が可能になるのではないでしょうか。

まとめ

今回のGoogle Cloud入門セッションを通じて、私はデータ分析とAI活用の新しい可能性を学ぶことができました。

特に印象的だったのは、技術的な障壁を下げることで「すべてのエンジニア」「すべてのメンバー」がデータとAIを活用できる環境が整いつつあることでした。

これらの技術を積極的に取り入れることで、デリッシュキッチンサービスの更なる発展に貢献していきたいと思います。

5/21開催 2回目 エンジニアの働き方・キャリア

開発1部 デリッシュキッチンAWG PUの岩﨑です。 私からはエンジニアの働き方とキャリアについて紹介します。

この研修は、大きく2つのテーマで構成されていました。

登壇者 所属 役職 タイトル
島津 真人 株式会社Progate CTO AI時代の新卒エンジニアに必要な変化と学習
松本 勇気 株式会社LayerX CTO キャリアの考え方、フォロワーシップ

AI時代の新卒エンジニアに必要な変化と学習

まず株式会社Progate CTO 島津さんのセッションでは、AI時代における新卒エンジニアの変化と学習についてお話しいただきました。

ソフトウェアプロダクト開発の変化

従来のソフトウェアプロダクト開発は、「企画→ 設計→ 実装→ 評価」というフローで進み、プログラミングはその中の道具の1つでした。特に「ジュニアエンジニア(=新卒)」は、先輩から与えられたタスクに基づいて実装をこなすことが、2024年頃までは一般的でした。

しかし2025年現在ではこの状況は大きく変化しており、Devin、Cursor、Claude Codeといった生成AIツールが登場したことで簡単なタスクであればAIが実装できるようになっています。

これにより「簡単な仕事はどんどん捌けて、なんらかの理由で難しい仕事がどんどん残る」という状況が発生し、結果として新卒エンジニアのオンボーディングに適した「簡単なタスク」が減少するという課題が生まれています。

生成AIと仕事をしていく上で考えること

ここで生成AIが進化するたびに話題としてあげられる「生成AIがいれば人間は代替されてしまうのか?」という問いに対し、島津さんは明確にNOと答えています。

これまでの仕事の一部がAIによって代替されたとしても、次に人間がやるべきことが必ず出てくるとおっしゃっていました。

こういった時代の流れにおけるエンジニアの心構えについて、島津さんより何点かお伝えいただいた中で個人的に最も印象に残ったお話を紹介します。

AI時代のエンジニアの心構え

現状AIはまさに過渡期であり状況は常に変化しているため、それに追いつき、やり方を更新し続ける必要があります。

これは従来も求められていましたが、変化の大きさが格段に増している点が新しい部分です。

そして世の中でAIの活用法に答えが出ていないため、以下のサイクルを継続的に回して知見をアップデートしていく必要があります。

  1. 局所最適を無限に積み重ねる:自分自身でたくさん試行錯誤を繰り返すこと。
  2. 知見を共有し、アップデートする:得られた知見をチームや組織、コミュニティーに還元すること。
  3. 技術の進歩に合わせて1と2を繰り返す

新しい技術が出てきたらとにかく試す。

それをまずは個人で試行錯誤してチームや組織内でブラッシュアップするサイクルが回るようになれば、弊社が掲げるAIで開発スピードを10倍にすることも実現できるのではないかと感じました。

キャリアの考え方、フォロワーシップ

株式会社LayerX CTO 松本さんのセッションでは、キャリアの考え方とフォロワーシップについてお話しいただきました。

キャリアの考え方

松本さんはキャリアを後悔しないためのポイントとして以下の3つをあげています。

  1. 投資家的思考
  2. コミュニティ
  3. 最初の10年間の使い方

それぞれ首が取れるほど頷ける内容なのですべて紹介したいところですが、ここでは投資家的思考を取り上げます。

投資家的にキャリアを考える

ここではキャリアを資産としてとらえ、自身のキャリアを単なる仕事の連続ではなく、人生という資産を最大化するための「投資活動」と捉えます。

「資産」とはお金だけでなく、信用・信頼、健康・体力、名声、知識・経験、時間など多様な要素が含まれます。

投資家的思考とは、私たち一人ひとりが自身の「資産」を守り、その資産を使って自分の仮説・学びたい方向に向けて効率よく投資することでより大きな資産を獲得していく「投資家」である、という考え方です。

リスクとリターン

このような考え方をする上で、どんな意思決定にもリスクとリターンが存在することを意識する必要があります。

自分が目的とするリターンを得るために、手元にどのような選択肢があり、どのようなリスクがあるのかを整理することで、最適な選択をすることができます。

一般的にリスクとリターンは比例しますが、知識量を増やすことで同じリターンをより小さなリスクで得ることが可能になります。

探索と学び

そしてその知識を増やし、不確実性を低下させるためには継続的な学習サイクルが不可欠です。

「仮説立て→ 行動→ 振り返り→ 学習・知識化」のサイクルを回すことで、より精度の高い状況理解と不確実性の低下につながります。

バランスシートとポートフォリオ

とはいえ、やりたいことすべてに投資することはできません。

自身の持つ投資可能な資産(お金、時間、体力、信用など)をどのように配分するかといったバランスシートを作成し、余分な資産(特に時間)に対してどこにどれだけ使うかを決めることで、キャリアの方向性が明確になります。

レバレッジ

そして時にはレバレッジをかけ、リスクをとってより大きく投資をすることも必要です。

手元の資産を特に知識や経験といったストックされる方向へ投資し、運用効率が高まる手段を追いかけることでより大きなリターンを得ることができます。

例として、以下のような項目が挙げられていました。

  • お金で時間や知識・経験を買う(家事のアウトソースや有料ツールの活用)
  • チームで動く(人にレバレッジをかける)
  • 信用のレバレッジ(スキルが不足していても信頼があれば任せてもらえる)

こういったレバレッジをかけることで、キャリアのスピードを加速させることができます。

しかしリスクを取りすぎると失敗する可能性もあるため、自身の取りたいリスク度合いに応じて調整が必要です。

まとめ

AI時代のキャリアを考える上での指針となるお話を島津さんから聞くことができて本当によかったなと思っています。

また松本さんに発表いただいた資料は以前より拝見しており、こちらも私自身のキャリア指針に大きな影響を与えてくれているので今回の研修で直接お話を伺うことができてとても嬉しかったです。

AI時代の波に乗り遅れないようなキャリア戦略を考え続けたいと思います!

5/27・28開催 3回目 AWS JumpStart

開発1部 デリッシュキッチンMS DRMの江﨑と開発1部デリッシュキッチンAWGヘルシカの赤川です!私たちからは、AWS JumpStartについて紹介します!

AWS JumpStart 2025は、AWS初学者のエンジニアを対象とした実践的な研修プログラムです。 このプログラムのゴールは、一般的なアーキテクチャの理解、AWSコアサービスの概要とその選定基準の把握、そしてAWSアーキテクチャ図作成の流れを学ぶことです。

タイムスケジュール

2日間のスケジュールは以下の通りです。1日目は座学とAWS環境の構築を行うハンズオン、2日目は1日目の内容を踏まえたより実践的なアーキテクチャ検討を行いました。

1日目

まず1日目の内容について紹介します。

講義

講義では「アーキテクティングのコツ」について解説いただきました。Webサービス構築におけるフェーズごとのAWSサービス選定の基礎や、システムスケール時の課題と対策について学びました。 講義の内容を簡潔にまとめると以下のようになります。

フェーズ1: プロトタイプ(〜100人)

構成: Route 53 → EC2 → RDS

特徴: シンプル・安価、可用性は重視しない

フェーズ2: 一般公開(100人〜10,000人)

構成: Route 53 → ALB → EC2(マルチAZ) → RDS(マルチAZ)

改善点: - Application Load Balancerによる負荷分散 - 複数AZでの冗長化 - Auto Scalingの導入

フェーズ3: 大規模化(10,000人〜1,000,000人)

構成: CloudFront → ALB → Auto Scaling Group → Aurora + リードレプリカ + ElastiCache

改善点: - CloudFront: 静的コンテンツのCDN配信 - Aurora: 高性能DB、リードレプリカで読み取り負荷分散 - ElastiCache: インメモリキャッシュでDB負荷軽減

フェーズ4: 超大規模(1,000,000人以上)

特徴: 計測・分析・改善サイクルの重視

改善点: - アプリケーション最適化 - DBシャーディング、NoSQL活用 - マイクロサービス化 - Infrastructure as Code、CI/CD導入

システム構築時は、最初から過度に作り込まず、要件を満たすシンプルな設計から始めること、そして計測・分析・改善のサイクルを継続することが重要であると学びました。

ハンズオン

ハンズオンでは、実際にAWS環境の構築を体験しました。2〜3人のチームで、AWS環境を操作するドライバーと、手順書を確認しながら指示を出すナビゲーターをローテーションしながら進める、モブプログラミング形式で実施されました。

前半のハンズオンでは、以下のようなシンプルなアーキテクチャを構築しました。実際に手を動かすことで、AWS環境構築の理解が深まりました。

後半のハンズオンでは、より実践的なアーキテクチャを構築しました。ALBによる負荷分散や、DBのフェイルオーバー機能による可用性の担保など、前半よりも高度な構成となっています。 また、アーキテクチャを構築して終わりではなく、ECSタスクを停止させた際の挙動なども確認し、実際に障害が発生した場合にどのように可用性が保たれるかを体験できました。

まとめ

AWS JumpStart 1日目を通して、単なるAWSサービスの学習にとどまらず、「なぜこのサービスを選定するのか」「どのようにアーキテクチャを設計すべきか」といったアーキテクティングの思考プロセスの基礎を学ぶことができました。 また、モブプログラミング形式で学ぶことで、チーム内で活発に意見交換し、教え合うことで理解をより深めることができました。ここで学んだことを土台に、今後の業務でも要件に合ったアーキテクチャを考えていきたいと思います。

2日目

2日目はより実践的な内容で、与えられたお題に沿ったアーキテクチャを設計する課題に取り組みました。

アーキテクチャの検討(個人)

まずは個人でアーキテクチャを検討する時間が設けられました。与えられたお題に対して、以下のような構成を考えました。

  • マルチAZ構成で冗長化
  • フロントエンド:React(TypeScript)プロジェクトをECS Fargateで実行、CDNのためにCloudFrontを使用、静的コンテンツはS3から配信
  • バックエンド:Java/Spring BootアプリケーションをECS Fargateで実行、時間に応じてオートスケーリング
  • データベース:Aurora、レプリカも追加
  • ロードバランサー:Application Load Balancer(ALB)
  • ログ:CloudWatchとKinesis経由で、S3に保存
  • DNS:Route 53

1日目で学んだ内容をもとに、基本的なWebサービスのアーキテクチャに必要なことは網羅することができたと思います!

アーキテクチャの検討(グループ)

まず、メンバーそれぞれが考えたアーキテクチャを共有し、特徴と改善すべき点を共有していきました。 その後各アーキテクチャの良いところを集めて、以下の要素が追加されました。 - キャッシュ:ElastiCache - キュー:SQS - 外部との接続:NAT Gateway - 認証:Cognito

これで、我々のアーキテクチャ図は完成しました! NAT Gatewayを経由した外部APIとの連携を丁寧に描けたのが良かったと思っています!

発表会

発表では3チームが選ばれ、それぞれのアーキテクチャについて説明をしていました。 私のチームは選ばれませんでしたが、弊社メンバーのいるチームが選ばれたのでそのアーキテクチャを載せておきます!

個人的には、普段の定例会議でダッシュボードを見る機会が多いので、ダッシュボード作成の機構があるのが良いなと思いました!

懇親会

夜の懇親会では、はじめに24新卒の先輩からAWSに関するLTが行われました。 その中で、シナジーマーケティング株式会社の木山さんからAWSのコスト管理に関するお話をしていただきました。 この話を聞いて、早速個人開発のプロジェクトにコストアラートを設定しておきました!

その後は、一緒にアーキテクチャを作ったチームメンバーや他の会社の人たちとたくさん交流することができました! その時に知り合ったメンバーと二次会に行ったり、輪読会を始めたりと、同期の繋がりの良さを改めて実感しました。

まとめ

この研修を通じて、実際のアーキテクト業務を体験することができました。 実際のビジネス要件を技術的にどう実現するかなどを深く考えるのはとても楽しかったです。 さらに面白かったのは、完成したアーキテクチャがグループによって全く違ったことです。 中にはサーバーを立てずに、全てをLambdaでサーバーレスに処理するという挑戦的なアーキテクチャもありました。

今後は、「使ったことある」AWSサービスを増やしていきたいです! 実務ではもちろん、個人開発でも色々なAWSサービスを試してみたいと思います!

おわりに

ここまで、2025年新卒合同研修の前半(第1回〜第3回)についてご紹介しました。 後半では、第4回から第6回の研修内容についてお伝えします。 ぜひ、後半の記事もご覧ください!

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