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株式会社エブリーのTech Blogです。

PHPカンファレンス2025 最速参加レポート

去年に引き続き、エブリーは2025年6月28日(土)に大田区産業プラザPiOで開催されたPHPカンファレンス2025に参加させていただきました。

今回も参加レポートとして、会場の様子やセッションの感想についてお届けします!

イベント概要

https://phpcon.php.gr.jp/2025/

PHPカンファレンスは、PHP関連の技術を主とした技術者カンファレンスです。 2000年に日本のユーザ会によってPHPカンファレンスが初めて行われ、今年で26回目の開催となります。 これからPHPをはじめる方から、さらにPHPを極めていきたい方まで幅広く楽しめるイベントになるよう様々なプログラムをご用意しております。

セッションの感想

PHPの今とこれから2025 〜30周年を迎えたPHPと最新動向〜

2025年、PHPはついに誕生から30周年を迎えました。そして、PHPカンファレンスも今年で第25回。節目の年にふさわしく、「PHPの今とこれから」をテーマに、歴史と最新動向を振り返るセッションが展開されました。
その内容を簡単にお伝えできればと思います。

PHPの誕生とその時代背景

PHPが誕生したのは1995年。当時のインターネット黎明期には、いくつもの革新的な技術が登場しています。

  • 1993年4月30日:CERNがWWWを無償公開
  • 1994年12月15日:Netscape Navigator(初の一般向けWebブラウザ)リリース
  • 1995年1月21日:Apache HTTP Server誕生
  • 1995年5月23日:MySQL 1.0 リリース
  • 1995年6月8日:PHP 1.0 登場

つまり、Webそのものの始まりと共にPHPも誕生したと言えます。初期はPerlの代替のような簡易スクリプトとしてスタートしたPHPですが、
その後の5.x系の成熟、7.x系の大幅な高速化などを経て、現在の堅牢で高機能な言語へと進化してきました。

PHPの現状と普及率

現在のPHPは、サーバーサイド言語として依然として圧倒的なシェア約74%に上るようです。
バージョンの利用状況を見ても、7.x系と8.x系がそれぞれ約4割ずつと拮抗していますが、 依然として古いバージョンを使い続けているシステムも存在していました。
そして特に印象的だったのが、最新のPHP 8.4の利用率がまだ1%未満という点。
多くのシステムがまだバージョンアップに慎重な姿勢をとっていることがうかがえます。

11月20日リリース予定のPHP 8.5

2025年11月20日に正式リリース予定のPHP 8.5の新機能にもフォーカスが当てられました。

パフォーマンス

8.4とほぼ同等のパフォーマンスですが、環境によっては7%ほど改善されている例もあるようです。

主な新機能(一部抜粋)

  • パイプ演算子
    シェルのように値を次々にパイプ「|>」で渡して処理できる構文。コードの可読性と柔軟性が向上。
  • WHATWG URL・RFC3986準拠のURI生成
    セキュリティや整合性を強化する目的で、標準仕様に沿ったURL/URIオブジェクトを生成可能に。
  • クローン時にプロパティを指定可能:clone($x, $options)
  • NoDiscardアトリビュート
    呼び出し結果を無視すべきでないことを明示。

ライフサイクルとバージョンアップの重要性

PHPは現在、年1回のメジャーバージョンアップサイクルを採用しており、サポート期間は4年(バグ修正2年+セキュリティ修正2年)とされています。
最新機能を利用するためだけでなく、セキュリティサポートを継続的に受けるためにも定期的なバージョンアップは不可欠です。

2025年のPHPカンファレンスは、バージョンアップのお話だけでなく、今までの歴史や最新のシェア状況などのお話もあり大変面白いセッションでした。

PHP初心者セッション2025 〜ChatGPTと学ぶ、新時代のPHP入門〜

今年のPHPカンファレンスでは、初心者向けのセッション「ChatGPTと学ぶPHP入門」が開催されました。
開催前に挙手によるアンケートを行ったのですが、 参加者の8割がPHP初心者、中にはプログラム初心者もいるということで、これからPHPを始める人の多さに驚かされました。

このセッションのゴールは、ChatGPTを活用しながら、PHPで簡単なWebアプリを作ること。
はじめにPHPの基本文法や環境構築、変数や配列、条件分岐などの基礎が説明され、後半ではCSV出力のミニアプリをChatGPTと一緒に作成していきました。

印象的だったのは、「AIは主役ではなく相棒。開発を加速させる壁打ち役」という考え方。
エラー調査では「何をしたか」「どんなエラーが出たか」「どう解決したいか」をセットでAIに伝えると、より正確な回答が得られるというテクニックも紹介されました。

また、マニュアルを読むよりもAIに初心者向けに説明させる方が理解しやすい場面も多いとのこと。
セキュリティチェックやコードレビューにもAIは活用でき、今後はAIを使いこなすスキル自体が重要になっていくという話もありました。

AIと共に学ぶ新しいPHPの入口として、非常に実践的かつ未来を感じさせるセッションでした。

スポンサーブースの紹介

エブリーでは、 デリッシュキッチン に代表される様々なサービスを開発・運用しております。
その中でも小売業者向けのデータ連携サービス retail HUB では開発・運用にPHPを活用しています。
retail HUBは、小売業のDXを推進するサービスです。詳細はこちらをご覧ください!

PHPを活用する中で多くの恩恵を受けている私たちも、コミュニティのさらなる盛り上がりに貢献するため、スポンサーとして協賛させていただき、ブースを出展しました。

「なぜエブリーが協賛しているのか?」については、こちらのブログ記事もご覧ください!
PHP Conference Japan 2025 にGOLDスポンサーとして今年も協賛します!

ブース

エブリーでは、今回も弊社が提供するデリッシュキッチンのサービスをイメージしたブースの雰囲気を作りました。
多くの方にデリッシュキッチンを知っていると言っていただけてとても嬉しいと思いました。
デリッシュキッチンは知っているけど、エブリーという会社名は知らないという方も数多くいらっしゃいました。
今回のブース出展を機により多くの方にエブリーという会社名も認知していただければ嬉しいです!

ノベルティ

今回もデリッシュキッチンにちなんだノベルティを用意させていただきました。

  • ステッカー
  • CTOブレンドのコーヒーバッグ
  • デリッシュキッチンお料理グッズ

デリッシュキッチンお料理グッズに関してはXフォローでの抽選プレゼントキャンペーンを行いました。
当選した方の中には「めちゃめちゃ料理するのでたくさん使います!」と言っていただけてこちらも嬉しい気持ちになりました。

アンケート

今回、アンケートでは『使用しているAIツール』について回答していただきました。
GitHub CopilotとChatGPTが最も投票数を集める結果となりました。
稟議の関係でGitHub Copilotの導入が最もスムーズに進んだという方、様々なAIツールを並行利用して現在評価中という方など、
会社によって使っているAIツールは様々であることがわかり、とても興味深いアンケートとなりました。

ちなみにエブリーでは全エンジニアおよびプロダクトマネージャーが「Cursor」を導入しています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
エブリー、AIエディタ「Cursor」を全エンジニアおよびプロダクトマネージャーに導入

ご回答いただいた皆様、ご協力いただきまして本当にありがとうございました!

各社スポンサーブースの様子

今年も各社ともに個性あふれるブースを展開しており、会場には活気が溢れていました。
クイズやアンケートパネル、さらにはコードレビュー体験など、多彩な企画が用意されていて、来場者が楽しみながら参加できる雰囲気でした。

スタンプラリー企画

まとめ

PHPカンファレンス2025の運営の皆様、そしてご参加された皆様、今年も本当にありがとうございました!

昨年の開催から半年しか経っていないにもかかわらず、PHP 8.5の最新情報や今後の進化の話題も多く、毎年確実に進化を続けているPHPに、改めてワクワクしました。

また、これまではPHP歴の長い方がメインの参加者なのかと思っていましたが、「初心者向け」と書かれているセッションでは、「PHPどころかプログラミング自体が初めてです!」という方も多く参加されていて、本当に幅広い層が集う、まさに“初心者から上級者まで”楽しめる素晴らしいコミュニティだと実感しました。

私たちも今回得られた知見を活かし、PHP 8.5の新機能を活用したプロジェクトにもどんどん取り組んでいきたいと思います。
今後もこうしたイベントや勉強会に積極的に参加し、PHPコミュニティの一員として、引き続きPHPの進化を追いかけていきます!